3.公共事業の新規投資の行方

 例えば、道路分野で見てみると、全国的にみると未整備路線が多数存在しています。
 現在、財政難により新規投資は大幅減少、事業停止になった路線も見られます。
 将来の新規投資の状況はどうなるのか考えてみます。
 
 建設投資は、必要とされる社会資本ストックの量によって決まります。社会資本のストックの量は、国の大きさ、将来人口と経済状況、技術革新によって決まってきます。
 よって、将来的に必要な社会資本ならばいずれは、整備されるはずです。
 新規投資は、短期的には政権や政治の動向に左右されますが、長期的には、今後もある程度の規模で継続されるはずです。 
 理由を以下に整理します。
 
1.便益評価の見直し

社会資本整備は、今は費用対効果、便益ばかり言われているが、公共事業、社会資本というのは、「社会便益」「安全、機会均等」の二つの視点が必要だと思います。
例えば、地方と都市の格差の問題、国土の均等な発展が無ければ、機会の均等は図れません。
 また、現在の便益計算では定量化できる効果、道路でいえば、ほとんどが到着時間の短縮による効果がほとんどです。(経費もあるが)
 道路の多様な社会的効果、例えば将来の発展性や機会の均等は考慮していない(間接効果計算しにくい)のが現状です。
 地方の方は、商売するにも時間とコスト(輸送や移動)分のハンデを常に受けていることになります。 
 この辺が、都市部と地方部の世論のギャップなのかと思います。
  今後、事業評価基準について、見直しが進むものと思われます。
 
2.すでに投資してしまっている

 整備の仕方も、用地取得の関係もあるのでしょうが、飛び地的に整備されて高速道路などネットワークが連続していないケースがとても多いのが現状です。
 道路は路線が開通しないと効果は発揮しません。すでにかなり投資をしてしまって、現在のようにネットワークを完成させないで放置していることが一番無駄です。
進行中の事業における評価は、今事業を止めて今までの投資が無駄になる場合と、完成させた場合の費用便益などで対比すべきです。
 
今、建設中のところは、政権が代わろうが、いずれ、整備は推進されるはずです。

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